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国旗の考現学

国旗の考現学

吹浦 忠正 著
定価 980円
(本体 891円+税10%)
※電子書籍の価格は各販売ストアにてご確認ください。
発売日 2020-06-08
仕様 新書判/200P
ISBN 978-4-295-20006-2
執念、ジェンダー、差別、宗教、オリンピック…… 国があれば国旗あり。そして国旗の数だけ歴史と物語は存在する。本書は古代から、中世から近世、そして現代に至るまで、各国の国旗の成り立ちや移り変わりを、1964東京オリンピックより専門職として五輪に関わった「国旗と儀典のプロ」が深堀りする、新しい世界の見方。政治や軍事、経済や世相は国旗にどのように反映されてきたのか。 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な流行)により翌年への延期となった第32回東京オリンピック・パラリンピック競技大会。約一万旈の国と地域の選手団旗(国旗)、IF(国際競技連盟)旗などを製作することになりそうだ。一つの行事でこれだけの旗を揃えるのは、日本では空前のこと。おそらく絶後ではあるまいか。56年前の東京オリンピック、開会式で入場行進したのは94の国と地域。旗はオリンピック旗約2500枚、各国旗約4000枚、「日の丸」約300枚、東京都旗約250枚、一部の競技を開催した神奈川、埼玉、千葉、長野の各県旗計約150枚、合計約7200枚を製作した。それが今度は(略)世界のほとんどすべてからアスリートたちが集まってくるのだ。(本文「序章 オリンピックと国旗」より)

目次


■序章 オリンピックと国旗
一万枚を超えるかオリンピック用の旗/「いだてん」の主役・田畑政治から呼出し/リンピック閉会式の日に独立したザンビア/世界は動く「TOKYO1964」以降、国旗を変更した国 ……他

■第一章 考現学で見る世界と国旗
変わりかけた国旗 変わりそうな国旗/ニュージーランドの国民投票で政府提案が否決/オーストラリアも国旗変更の模索が続く/七人制ラグビーでの「金」が国旗変更を止めたフィジー/国内対立続くキプロスに存在する二つの国旗/どんどん変わったイラクの国旗/依然、ソ連型の国旗を持つアンゴラ ……他

■第二章 怨念、ジェンダー、差別、宗教
燃やすために「米国旗」を製作するイラン/ボツワナ「雨ごい」国旗を採択/クーベルタンの男尊女卑をどこまで改善できるか/日本のオリンピック選手団、旗手はほとんど男だった/国旗に女性は描かれない/人種差別なき黒・白協調の国旗/蔓延する小型武器の削減を/広島平和記念公園の国旗は「日の丸」だけでいいのか? ……他

■第三章 国旗が語る歴史的瞬間
対立緩和をお膳立て/オバマ米大統領の来日でも両国旗を交互に/日中関係とオリンピックのために惜しむ中国の暴挙/通りを埋め尽くした「自分ファースト」の北京五輪/「一国二制度」貫く香港の決め手──各国旗を奉持してデモ ……他

■第四章 変化し続ける国旗
五〇年間に一〇種類の旗が交代した満洲───二〇世紀前半の満州は各国の「狙い場」/仏英領系の対抗、国内政治をもろに反映するカメルーン国旗/ソマリアは国全体が分解状態/四つの星が共産党を示す大きな星に向かう中華人民共和国の国旗/国旗の形はいろいろ/「イタリア国旗が日本で一番多く見られるようになった立役者/共産党の指導の下に、統一国家の発展を図るベトナム/国名表記も簡単ではない/意外に複雑な「星条旗」の星の配置 ……他

■第五章 国旗で読む過去・現在・未来
今に残る伝説に依拠する国旗/国旗に託す「過去への決別」──ルワンダ悪夢の一〇〇日/未練なしのカーボベルデ/大統領就任式の五枚の星条旗/星の数が表すもの/UK(連合王国)、解体の始まり/スコットランドではEU残留希望が圧倒的/勢いづくスコットランド独立派/戦争になると国旗を逆さまに掲げるフィリピン/北朝鮮の国旗を考案した人物 ……他




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